よい品をどんどん安く、より豊かな社会を
という言葉があります。これはあの小売業ダイエーさんの基本理念と言われています。独占禁止法、不正競争防止法、下請法等の法律や、公正取引委員会の役割、そして各国の競争法が守ろうとする価値観や保護法益は、シンプルに言えば、このひとことに尽きます。
独占禁止法がどういう法律がどのようなものかは、こちらで分かります。
到底このような個人ブログで解説できるボリュームではないし、そもそも私自身にそんな解説能力はありません。しかし、何を守ろうとしているかをしっかり押さえれば、この法律の本質を理解することができます。
私的独占
☑ 市場を独占するような強い事業者が、手ひどいやり方で、他の参入業者を邪魔したり、競争相手を追い出したりしてはいけない。また財力に物を言わせて他社を支配して、一人勝ちしようとしてもいけない。
なぜ?
そんなことしたら競争自体が封じ込められ、価格が不自然に維持されることになるので、「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」実現することができないからです。
不当な取引制限
☑ 「共存共栄です」とか言って、仲間同士が連絡を取り合って、本来は各人が自主的に決める価格や生産量などを、話し合いで取り決めてしまってはいけない。
☑ また、自治体が税金を元手に公共工事などを外注する際、適正な価格を確保するためにせっかく入札方式で募集してるのに、「持ち回りで」とか「持ちつ持たれつっスよ」とか言って、仲間同士のひとりが確実に受注させるため、それより若干高い価格でみんなが応札するようなことをしてはいけない。
なぜ?
そんなことしたら競争原理が働かず、 価格が不自然に維持されることになるので、 「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」実現することができないからです。もちろん「よい税金の使われかた」もされません。
不公正な取引方法
☑ メーカーが人気商品の小売価格を「●●円以上で売ること。でなければ卸しません」とかいう縛り付けをやってはならない。
☑ 強弱の関係にある取引関係において、強者が、その力に任せて自分の都合のいいように弱者を従わせてはならない。
☑ 足元を見て、人気商品を不人気商品とセットでにして販売するようなことをしてはならない。
なぜ?
そんなことしたら弱い立場の人が従わざるを得ず、 価格が不自然に維持されることになるので、 「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」実現することができないからです。
根っこの理屈はとっても簡単ですよね。判断に困ったら、
「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を」という考えに合ってるかどうかを考えてみる。その結果、少しでも違和感があれば、たいていの場合、独占禁止法に違反しています。
そうそう、こっちです。これが競争。
なんでもあるなあ「いらすとや」さん(笑)
※本記事に使用したイラストの著作権は「いらすとや」に帰属するものです。