047_機会をつぶせ!

クレッシー氏が提唱した「不正のトライアル」のお話はとても有名です。コンプイアンス研修を受けたことがある方は、このお話をお聞きになったことがあると思われます。
動機、機会、正当化
この3つが全て揃ったときに、不正は起きるというお話です。
組織面での防止策のヒントとなります。

いま明らかになるのはまずい!(動機)
 +
組織のためだからやむを得ない!(正当化)
 +
誰も見ていない。誰にも止められない!(機会)

⇒ 隠ぺい

正直なところ、個人の主観面である「動機」「正当化」はなかなか未然防止の糸口はありません。
唯一期待できる防止策は「機会」をつぶすことです。

だからと言って、特に難しいこと、特別なこと、新しいことをする必要はありません。

ちゃんと会話をする

ちゃんと会話をしましょう。
これはマネージャーの方の役割です。
特に昨今はリモートワークが当たり前になりつつある中で、コミュニケーションほど意識的に行わなくてはならないものはありません。
例えば、定例ミーティングを大事にしましょう。
心配ごとがあるとき、こうした定例の会話の場があるだけで、言い出しやすくなります。これがない中で、リモートワークで、部下が上司に”いま何がしんどいのか”を伝えることはとても困難です。

ちゃんとしまう

書いてありませんか?
規程やマニュアルや手順書に「キャビネットに保管のうえ常時施錠のこと」
それを当たり前にきっちりやりましょう。
これだけで、もう手も足も出ないのです。これだけで。
いいかげんにやってしまいますと、そこに「機会」が生まれます。

ちゃんとチェックする

なんでこんなチェックリストがあるんだろう?一度考えてみましょう。
たいていの場合、過去に大きなミスや不祥事があり、その再発防止策として置かれているものが、そのチェックリストです。

ちゃんと会話する
ちゃんとしまう
ちゃんとチェックする

これだけで随分多くの「機会」がつぶせるはずです。

※本記事に使用したイラストの著作権は「いらすとや」に帰属するものです