法律によって定められていないことでも守る。
そのように言う事は簡単ですが、とても曖昧でぼんやりした言い方です。
では、どうすればいいのか。行動面で必要なことはこの3つ。
「隠さない」をする。
「偽らない」をする。
「放置しない」をする。
この3つを徹底するだけで、たいていの企業コンプライアンスを実現することができます。
あたりまえのことのように思えますよね?
簡単でしょうか?
でも以下をご覧ください。
隠す | 隠蔽する、黙っている、場所を移す、廃棄してしまう、記録を消してしまう・・・ |
偽る | 偽装、改ざん、書き換え、貼り替え、誤魔化し、架空の処理、事実と異なる報告・・・ |
放置する | ずっとこうだから、上の指示だから、また怒られたくないから、決算後だから、調べるの大変だから、文句言われてないから・・・ |
どこかで聞いたことのある言葉ですよね。
企業不祥事の報道を目にするたびに、耳にするたびに、よく聞く言葉だと思いませんか?
そうです。多くの企業不祥事は、「隠す」「偽る」「放置する」のうちのいずれか。または、これらが複合的に重なり合って生じているものばかりです。
例えば、有価証券報告書虚偽記載の事例があったとします。
その罪は、金融商品取引法に違反している以前の問題として、「偽る」という行動があるのです。だから、法令違反を防止する以前に、「偽らない」をするという行動をしないと、本質的な解決にはならないのです。
でも、ひとは弱い生き物です。
「きちんと報告しなきゃ」「事実を伝えなきゃ」「早くしなくちゃ」
ふだんではわかっている簡単な理屈でも、以下の状況ではどうでしょうか。
・誰も見ていない状況
・大きなプレッシャー
・ことなかれ主義
・昔からの慣例
・上司の指示
・復讐心
・無関心
・忙しすぎる状況
・足りなすぎる状況
・相談しづらい状況
・苦情のエスカレート
・期末、締め日、締切り間際
・自分だけ置き去りにされる恐怖
などなど・・・・
どのような状況でも、
「隠さない」をする。
「偽らない」をする。
「放置しない」をする。
これが、コンプライアンスです。これこそが、コンプライアンスのほんとうの意味です。
さあ、できますか?
簡単ですか?
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