ダメなものはダメなんです。
カッコつけて「ビジネスにはリスクを飲まないといけないときもある」とか言って、法令違反懸念があっても突き進もうという意見をする輩がたまにいますが、本当に危機感がないなあと思います。
うちの会社で、資金繰りに困っている人に提携ローン会社を積極的に斡旋して、そのローン会社とキャッシング取引をしてもらい、手数料をもらうビジネスをやろうと思って♪
「貸金業」に該当する可能性がありますね。該当する場合は、当局に貸金業登録をする必要があります。
え?お金貸すのはローン会社なのだから、関係ないでしょ?
いや、関係あるんです。
貸金業法の第2条を抜粋すると、
第二条 この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。
貸金業法
とあります。この「金銭の貸借の媒介」に要注意です。資金需要者とローン会社の間に立って、消費貸借契約の成立に尽力する行為は「媒介」にあたり、貸金業となります。そして、第3条を抜粋すると、
第三条 貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
貸金業法
そして、そして、
第十一条 第三条第一項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。
貸金業法
というわけなんです。
いやでもさあ。「媒介」にあたるかどうかなんて微妙じゃん。貸金業登録をすることは想定していないんだよ。今のまま、スグ始めたいんだよ、この斡旋スキーム。
ビジネスにはリスクを飲まないといけない場面もあんじゃね?
はい、でました。リスクを飲む。
第四十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
貸金業法
一 不正の手段によつて第三条第一項の登録を受けた者
二 第十一条第一項の規定に違反した者
三 第十二条の規定に違反した者
これがリスクですよ!!!
10年以下の懲役ですよ!!!!!
誰が?
あなたがです!!!
飲む?リスクを? は?
あなたがこのビジネス押し切ったら通報しますよ!!!
会社としては、全力であなたを切り捨てます。
・・・。
ちなみに十年以下の懲役の例を刑法であげますと・・・
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
刑法
詐欺罪と同じ重さです。リスクを飲んでこのビジネスに踏み切ると、詐欺罪と同じ罪の重さとなります。
「リスクを飲む」とか簡単にいわないのっ
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