十干(じっかん)というそうです。古代中国で考案され、日本に伝わったんだそうです。10個並べてみますね。
①甲(こう)
②乙(おつ)
③丙(へい)
④丁(てい)
ここまではメジャー。ここからは知る人ぞ知る。
⑤戊(ぼ)
⑥己(き)
⑦庚(こう)
⑧辛(しん)
➈壬(じん)
⑩癸(き )
おおー。そんなにいたのね君たち ってなりませんか。
これらは、契約書の登場人物を置き換える言葉として見かけることが多いですね。
あと、少しマニアックですが、司法試験の問題などに、甲野太郎とか乙野次郎とかが出てきて、いつも共謀のうえ悪いことばっかりしています。男女の場合は、甲男とか乙女とかになって、いろいろトラブルになっています。
契約書に関して言えば、私は未熟者でありまして、⑤ 戊までしか見たことがありません。それでも「ぼ?」と笑った覚えがあります。
契約書における「甲乙丙丁」の役割は、当事者の社名等をなんども繰り返さなくてもいいように、簡単な言葉に置き換えるところにあります。たったそれだけが役割で、別にこの言葉にこだわる必要はありません。だから限界は「丁」までではないでしょうか。それ以上の登場人物がいる場合、もっとわかりやすい言葉にしましょう。
例えば、
☑ 「発注者」と「受注者」、「委託者」と「受託者」というように、契約上の役割に置き換えるやり方
☑ ①「全日本豚まん製造販売株式会社」と②「株式会社リーガルインフォメーションアンドドテクノロジー」と③「御徒町フィンテックビジネスソリューション開発株式会社」と④「斜陽産業構造改善事業推進協議会」と⑤「オールドファンシーショップ 酢」の5社契約だとしても(全て架空です)、 甲乙丙丁戊にはせず、
① 豚まん製販
② リーガルIT
③ OFBS
④ 斜協
⑤ 酢
という風に短縮した用語に置き換えるやり方
などの方が実務的です。
なぜなら、この方が、契約書を見るたびに「あれ? 戊(ぼ) って誰だっけ」とならなくて済みますし、まさかの丙乙逆転のようなエラーも防ぎやすいからです。
この時に、各社の正式な略称があればそれを使ってもいいと思いますが、基本はなんでもOKです。ここでの用語は、あくまでもこの契約書を分かりやすく読み取れることだけが目的だからです。
もちろんあんまりふざけてしまうのはビジネス的にダメですが。
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