025_接待と贈答

接待や贈答は癒着の温床になる?は? 公務員はNGなのは当たり前だけど 、民間への営業なんて「癒着してなんぼ」なんだから、どんどんやるべきで、ダメもへったくれもないだろ。

かなり立場が上の人でもこういう考えを持っているケースが実在します。
しかし、残念ながらこのような理解レベルでは、いずれその人は競争法にも違反する場面が訪れるでしょう。

なぜなら、接待や贈答を控えめにすることによって守るべき利益は、競争法と非常に似ているからです。すなわち、取引や価格は、自由競争の結果決定されるものであって、飲食やゴルフの頻度や濃度で決まるべきものではありません。健全かつ公正な取引。これを守らなければいけないということ。
したがって、
「そもそもダメ」ではなく、
やりすぎダメ」が正解です。

民間企業との接待・贈答の抑制には、実は我が国においては法律はなく、企業の自主ルールに委ねられています。
このため、国家権力による強制力を伴った社会規範さえ守っていればいいとする企業と、それを超えるコンプライアンスを目指す企業で、はっきり対応が分かれるところです。
しかし、少なくとも大企業側にしっかりとした倫理観を確立し、中小企業との取引をフェアに行うことが望まれます。

なお、相手が公務員の場合は原則的にNGです。
民間企業でも法律の定めによって公務員とみなされる人(みなし公務員)もNGです。
国家公務員にはもっと厳しい倫理規範があるので要注意です。ちなみにすべての国家公務員がこの規範を熟知しているわけではないので、その点も注意です。

公務員との関係は、まったく保護法益が異なるので、これは別途お話します。

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